【高機能自閉症】知的障害がない自閉症?IQ知能指数は?

発達障害のひとつに、知的障害がない自閉症「高機能自閉症」があります。

高機能自閉症は、知的能力IQが低いわけではないのでが、だからといって障害自体が軽いもの、ということでもありません。

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自閉症の定義、知的障害との関係について

自閉症が初めて定義されたのは、1943年にアメリカの精神科医レオ・カナーによって「社会性や言語発達能力に遅れがみられる子どもたち」を自閉症として報告したのがはじまりです。

そして、その自閉症の子どもの中に知的障害を持つ子どもの割合が高かったため、自閉症と知的障害は併存するものと考えられていました。

知的障害は、一般的にはIQ知能指数が69以下で、読み書きする能力が低い状態を意味します。

高機能自閉症とIQ知能指数について

高機能自閉症は、自閉症のうち約20%の割合を占めるといわれ、IQ知能指数が70以上ある知的障害がない自閉症を指します。

知的障害をともなう自閉症を、最初の報告者である精神科医カナーの名前をとって「カナータイプ」と呼ぶこともあります。

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カナータイプ(知的障害をともなう自閉症)の割合は、自閉症全体の約80%といわれています。

IQ知能指数と知的発達水準の区分

【IQ知能指数 ー 知的発達水準】
130以上 ー 非常に高い
120〜129 ー 高い
110〜119 ー 平均の上
90〜109 ー 平均
80〜89 ー 平均の下
70〜79 ー 境界域
69以下 知的障害(精神発達遅滞) 

高機能自閉症は知的障害がなくても障害が軽いわけではない

高機能自閉症は、IQ知能指数が70以上で知的障害がない自閉症を指します。

しかし、知的障害がないからといって、障害が軽く、日常生活における困難も少ない、と考えるのは少し違います。

高機能自閉症とひとことで言っても、特徴や症状の現れ方には個人差があり、人によって違いがあります。

IQ知能指数120以上ある高機能自閉症の中には、こだわりが強い、融通がきかない、いつも誰かとぶつかってトラブルが絶えない、というケースもあります。

また、言葉も理解できて、知的レベルも高いけど、協調性にかけるため、人の話に溶け込むことができず、いつもひとりぼっちでいる子どももいます。

生きにくさが強い場合には、ひきこもりやうつ病に発展してしまう高機能自閉症の人もいるくらいです。

こうしたように、社会にうまく適応できるかどうかは、IQ知能指数の高さとは別の問題であり、高機能自閉症に知的障害がないからといって、軽い障害とは言えないところがあります。

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