仕事ができない、続かない、という統合失調症の悩み
統合失調症になると、仕事ができない、続かないという状況になる人が多く、社会生活に支障をきたして仕事を辞めなくてはいけなくなることもあります。
病気のために仕事を続けられなくなったことは、患者本人にとって引け目や負い目のような感情になりやすいものです。
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そういった意味でも就職、仕事をして働くことは、統合失調症の回復プロセス上の大きな目標として位置づけられています。
仕事をして生活の一部を支える収入を得られるようになると、社会的存在としての自分に自信が持てるようになります。
就職することは、生活していくための手段としてだけではなく、社会人としての自尊感情を高める役割も果たしています。
仕事によって収入だけでなく、自分を社会的な存在として肯定できる喜びを得ることができます。
日本では、就労というとフルタイムで毎日働くというイメージですが、海外では広くパートやアルバイトも含めた概念になっています。
最初からハードルを高くせず、働けることそのものを尊重していきましょう。
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最近は、本人の興味やスキル・才能に応じた仕事を探す「IPS」という就労支援もあります。
統合失調症のせいで仕事ができないと、自尊心を失ってしまうことに
【病気のために・・・】
社会生活に支障が出る
↓
仕事ができなくなり、辞めざるを得なくなる
↓
どこか引け目のような気持ちを持ってしまう
就職して仕事をすることは、統合失調症治療の大きな目標
・経済的に自立できる
・社会人として認知される
・働けることの喜びが得られる
・社会的存在としての自分に自身が持てる
統合失調症の仕事探しにも役立つ「IPS」とは
IPSとは、Indivisual Placement and Supportの略で、現時点で本人が持っている興味・スキル・才能に応じた仕事を探す就労支援のことです。
雇用前の訓練をしたり、福祉的雇用を利用するのではなく、自分の得意分野に一般就労することで、継続的な雇用につなげていきます。
IPSについて詳しく知りたい場合は、病院やソーシャルワーカーに相談してくみてださい。
◆この記事は、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター長である水野雅文先生執筆・監修の「ササっと分かる統合失調症(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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