・戸締まりをしたはずなのに不安になって何度も確認する
・横断歩道は偶数の歩数で渡らなければ気がすまない
・不潔な感じがして何度も繰り返し手を洗ってしまう
こういった行為を繰り返ししてしまうのであれば、もしかしたら「強迫神経症」かもしれません。
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今回は「強迫神経症」についてお伝えします。
強迫神経症(強迫症)とは?
心の病気「神経症」のひとつに、「強迫神経症(強迫症)」があります。
その症状・特徴は、例えばこんな感じです。
・ガスの元栓を閉めたか気になって、外出先から戻ってきて何度も確認する。
・手を洗っても洗っても、不潔感がなくならない。
・横断歩道の白い線を踏まない。
「靴を履くときは必ず右足から履く」というような日常的なクセであっても、本人が苦痛を感じ、日常生活に支障があるような場合は、神経症のひとつ「強迫神経症」と診断されることがあります。
強迫神経症(強迫症)の特徴・症状について
不安な気持ちや不快な考えなどが頭の中に浮かんできて、意識から振り払おうとしても、どうしても消すことができない。
こういった考え・想いを「強迫観念」と言います。
「強迫観念」によって日常生活が制限されたり、支障がでてきたり、苦痛に悩まされる状態を「強迫症(強迫神経症)」と呼びます。
まるで何かに呪縛されてしまったかのような状態です。
そして「強迫観念」を無意識的に打ち消そうとして、次のような儀式的行為をするようになります。
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・横断歩道の白色を踏まない
・繰り返し手を洗う「洗浄強迫」
・戸締まりの「確認強迫」
自分でも儀式的に繰り返してしまう行為の不合理さ・無意味さを頭では分かっていても、心が不愉快な想いにとりつかれしまい、その儀式的行為をせずにはいられなくなってしまう状態になります。
なぜ強迫神経症になるの?原因は何?
強迫症は心理的なストレスなどが主な原因と考えられています。
それととともに、性格的・遺伝的問題も指摘されていて、強迫症になりやすい性格としては、堅苦しく、几帳面で、我が強く、完璧主義の傾向があります。
また、脳内物質のセロトニンやドーパミンの分泌異常が主な原因とみられています。
特別な出来事があって突然「強迫神経症」の症状が現れることもありますが、徐々に強迫神経症を発症していくケースの方が多いです。
まとめ
強迫神経症は、自分ではどうしようもない「強迫観念」が頭の中に浮かんできて、それを振り払おうとして意味のない「儀式的行為」を繰り返しするようになってしまいます。
自分でも手を何度も洗ったり、何度も家のカギを閉めたか確認に戻ったり、といった行為が、不合理だ、馬鹿げている、意味がない、ということは頭では分かっているのですが、「強迫観念」がふつふつと湧いて出てきてしまうので、その行為をせずにはいられなくなります。
強迫神経症の治療は、薬物治療と心理療法(精神療法)があります。
薬物療法の場合、効果性は約50%くらいともいわれており、心理療法の場合は、日本国内に強迫神経症の専門家が少ないのが現状ですが、薬物療法と同等の効果性があるとされています。
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◆この記事は、東京工業大学名誉教授、精神科医、医学者である影山任佐先生執筆・監修の「図解雑学 心の病と精神医学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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