認知行動治療の3種類の技法について【うつ病/不安障害】
認知行動療法は、うつ病と不安障害を中心に、多くの精神疾患に対して用いられる治療方法です。
治療の基本的な流れは同じですが、技法が病気別に異なります。
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認知行動治療では、それぞれの病気ごとの認知の特徴にあわせて、効果が高くなるよう、アプローチを変えていきます。
大きく3つに分けられる認知行動治療
認知行動療法に用いられる技法は、大きく3種類に分けることができます。
メインターゲットとなるうつ病、不安障害への対応と、そのほかの病気への対応です。
病態にあった技法を選び、目標と計画を立てて実践していくという点は共通しています。
うつ病の認知行動治療
うつ病の場合、患者の認知面は否定的になりがちです。
うつ病の認知行動治療では、認知のゆがみの修正が中心となります。
行動面では、消極的な傾向があり「行動活性化」という手法をとります。
不安障害の認知行動治療
不安障害の認知行動治療の場合、認知面は、身体感覚や自意識などへの誤解を焦点にしぼって対応します。
行動面は、認知行動治療のエクスポージャーという手法で、不安に慣れる練習をしていきます。
その他の精神疾患と認知行動治療
摂食障害や不眠症、依存症、統合失調症などにおける認知行動治療では、それぞれの病気の状況や症状に合わせて技法を選びます。
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中でも、パーソナリティ障害は時間をかけて治療していきます。
病気別の技法が開発されている認知行動治療
認知のゆがみに介入して、認知を修正するための方法を「介入技法」といいます。
認知行動治療の技法には様々な種類があり、病気ごとに最適な方法ややり方が確立されています。
治療の現場では、これまでに実証された標準的な型が使われ、「この病気にはこの技法」という具合に治療が行われています。
認知行動療法の研究者が、それぞれの病気に適した技法を開発してきた結果です。
いまもなお、効果をより高めるための研究が進んでいます。
患者の症状にあわせて治療方法をアレンジする
認知の修正に用いる技法の種類や内容など、細部は患者さんひとりひとりの病気や症状にあわせてアレンジします。
治療者は対話を通じて、患者さんの心のすみずみまで把握し、オーダーメイドのスーツのようにぴったりの技法が選択されます。
認知行動治療に入る前に、病名は診断されていて、治療を通じて状態を確認していきます。
セッションを進める中で、複数の病気の特徴が現れた場合、合併の可能性を考えることもあります。
病名で定義されている症状の他にも、患者さん固有の問題まで把握していきます。
認知行動療法では、病気別に適した技法が開発されていて、治療者がそれをアドバイスしてくれます。
複数の技法を組み合わせ、実践して効果のある組み合わせを検証する場合があります。
個別の問題や、患者さんの希望にあわせて細部をアレンジします。
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