悪循環のパターンを変える認知行動治療の流れについて
認知・感情・行動をとらえることができれば、その3つが影響し合って悪循環のパターンが生じていることが分かってきます。
患者が持つ悪循環パターンを変えることが認知行動治療になります。
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問題の原因となる悪循環を見つける
フォーミュレーションした3つの要素のうち、認知の部分を掘り下げていくと、問題の元になっている中核信念に気づくことになります。
認知行動治療のセッションを繰り返すうちに、さまざまな問題に共通の中核信念が関わっていることがみえてくるようになり、悪循環のパターンに気づきます。
【例】
出来事:昇進のチャンス
↓
認知:口下手だ
↓
感情:失敗しそうで怖い
↓
行動:昇進を辞退する
出来事:女性との共同作業
↓
認知:口下手だ
↓
感情:嫌われそうで怖い
↓
行動:一人で作業する
出来事:人に出会った
↓
認知:口下手だ
↓
感情:話すのがつらい
↓
行動:会話をしない
子どもの頃や過去にさかのぼることも
フォーミュレーションをくわしくみていくときに、生育歴を確認し、過去にさかのぼって情報を集める場合もあります。
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例えば、子どもの頃、口下手だと言われ続けたことが認知の底にある場合などもあります。
[例]
・人間は嫌い
・どうせ好かれない
・自分は口下手だ
・世間話ができない
・なるべく人を避けて生きよう
・話が下手だから嫌われる
認知のゆがみを修正する
認知行動治療では、患者さんの認知のゆがみを特定し、行動も同時に変えていきます。
悪循環を好循環に変化させていきます。
【悪循環を発見】
認知のゆがみが不適切な感情、行動を生み出し、それがゆがみをさらに強化していることに気づく。
↓↓↓
【概念として理解】
患者さんは治療者の援助を受け、悪循環やその対策をひとつのパターンとして理解できるようになる。
↓↓↓
【流れを変え始める】
理解にそって対策を実践する。その後も対話や分析を続け、よりよい対策を練っていく。
問題が把握できたら対策を始める
認知行動療法の手法を活用して、自分の認知・感情・行動を分析していくと、自分の抱えている問題のパターンが把握できます。
パターンが把握できれば、対策もおのずとみえてきます。
次は、対策を考え、実践する段階です。
思いつくままに対策を打つのとは異なり、分析に基づく、根拠ある対策が打ち出せます。
患者さんと治療者が丁寧に話し合い、分析した上で対策に入るため、認知行動療法は科学的に根拠のある治療法となるのです。
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