パニック障害とノルアドレナリン、セロトニン、GABAなど脳内物質との関係について
パニック障害が起こる原因は、すべてが解明されているわけではありません。
ただし、いくつかの脳内伝達物質がカギを握っていることは分かっています。
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脳内の神経伝達物質がうまく働かないことがパニック障害の理由と考えられています。
パニック障害は脳内の神経伝達物質が原因!?
脳の神経細胞は、島のようにひとつひとつに離れています。
神経細胞同士がネットワークをつくるには、多くの神経伝達物質のなかだちがなければなりません。
ひとつのニューロンと別のニューロンのつなぎ目をシナプスと呼びます。
神経細胞(ニューロン)の数は焼く140億個といわれ、神経終末から神経伝達物質が放出され、ほかのニューロンの受容体に情報を伝えます。
パニック障害の原因は、この神経伝達物質のバランスが乱れて生じておこると考えられています。
パニック障害の原因となる脳内物質とは?
パニック障害には次のような神経伝達物質が関係しています。
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・ノルアドレナリン
・セロトニン
・GABA(ギャバ)
セロトニンはノルアドレナリンの活動を調整する役目を持っています。
神経伝達物質のGABA(ギャバ)は、神経細胞の興奮を抑え、不安を軽くする働きがあります。
またGABAは、ジアゼパム(抗不安薬にも利用されている)がベンゾジアゼピン受容体と結合すると、働きが強くなるという特徴があります。
ところが危機状態に直面すると、DBIという脳内物質が増加し、GABAの働きをいくつかの方法で邪魔してしまいます。
その結果、GABAは神経細胞の興奮を抑えることができず、不安がおこってくるのです。
パニック発作がおきる原因として、DBIのためにGABAがうまく働いていないとも考えられています。
ストレスによって増えるDBIは、おもに2つの方法でGABAの働きを阻害します。
①ジアゼパムにより先に、ベンゾジアゼピン受容体に結合してしまうため、GABAの働きが弱まる
②GABA受容体の機能を低下させ、GABAと結合できないようにする
◆この記事は、精神科医、赤坂診療所所長、渡辺登先生執筆・監修の「パニック障害(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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