曖昧な表現が苦手なアスペルガー、ハッキリ決まっていると落ち着ける
アスペルガー症候群の子どもは、自分のおかれた環境がはっきりとした形を持っていると安心します。
逆に、自由時間や何をしてもよい空間・スペースは苦手です。
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時間や空間に対して自分なりの区切り方を持ち、あまり混乱しない子もいますが、そうでない場合には、親や教師などの周囲の人ができるだけハッキリ指示するとよいでしょう。
場所の境界線をはっきりさせる
言葉で具体的な伝えてもなかなか理解できないアスペルガーの子が、作業する場所をはっきりと示すとすぐに行動できる場合があります。
行動と場所をセットにして覚えることで、頭の中が整理できるのです。
親や先生など周りの大人が、アスペルガーの子に時間や空間を整理してから指示すると伝わりやすくなります。
例えば、時間割をスケジュール表に書いて見せたり、部屋割りを決めて図をつくったりするのもおすすめです。
一日のスケジュールをはっきりと決めて表にする
アスペルガー症候群の子どもには、できるだけ予定を早く伝えることが鉄則の対応です。
それは、会話や勉強だけでなく、生活全般にいえます。
アスペルガー症候群の人は、時間や作業などの流れを理解することが苦手なので、朝から晩までできるだけ細かく一日の予定を伝えるようにします。
一日を通して予定を立てて活動すれば、アスペルガーの子のパニックや混乱することは最小限におさえられます。
朝(スケジュール例)
【決まった手順で出発の準備】
朝起きてから家を出るまでの、洗顔、着替え、食事、歯磨きなどの作業に順番をつける。
失敗したときは、何番のなにからやり直すか伝えてフォローする。
昼(スケジュール例)
【時間割の通りに学習】
学校での勉強はもともと時間割があるため、流れは理解しやすい。
授業の中での作業の流れは、詳しく説明した方がわかりやすい。
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【行事は事前に説明する】
年に数回の学校行事は、予定外の出来事なので混乱しやすい。
どんなことをするのか、プログラムを見せて事前に説明しておくとよい。
夕方(スケジュール例)
【できる範囲で家の手伝い】
放課後の活動はできるだけ予定をつくった方がよい。
家の手伝いや習い事などを、時間や作業を区切って終わりが分かるようにおこなわせる。
夜(スケジュール例)
【余暇も予定を立てた方が安心】
自宅で自由に過ごす時間も、予定を立てると活動しやすくなる。
本人と相談しながら、ゲームを何時間、勉強を何時間と決めていく。
【構造化】部屋に役割を持たせる
部屋などの空間に役割をもたせることを「構造化」といいます。
TEACCHプログラムで行われるアスペルガーの療育法のひとつです。
自由であいまいな空間は、アスペルガーの子どもを不安にさせます。
部屋や空間の位置と役割を区切って、集中しやすい環境をつくるとよいでしょう。
玄関や廊下など、部屋と部屋を行き来するときの中心となる場所に、一日のスケジュールをまとめたボードや図表をつくり、そこに行けば一日の流れを確認できるようにしておくとよいでしょう。
玄関
一日の予定や身だしなみ、忘れ物をチェックするスケジュール表を設置する。
キッチン・台所
食事をする場所、手伝いをする場所にする。
食事をする場所はキッチンかリビングにして、そこでのマナーを教える。
リビング・居間
リビングは遊ぶ場所として使う。
テレビやゲームはこの部屋に置き、時間を決めて使わせる。
両親の寝室
子ども部屋か寝室を、落ち着ける場所として使う。
子どもがパニックになったときに休ませる。
子ども部屋
勉強机とその周辺を勉強スペースとして区切る。
そのスペース内には遊び道具はおかないようにする。
脱衣所
入浴、洗顔、歯磨きなどの場所。
苦手意識を持たせないように、無理をせず教える。
着替え、洗濯などもここで教えるとよい。
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