認知行動治療とメタ認知、うつ病・不安障害を克服する方法は?
うつや不安を抱えている人は、悩んでいること自体をさらに悩むという二重構造に陥っている場合があります。
くよくよと悩むのをやめるために、注意を頭の外の刺激に向けることが病気の克服のために大切です。
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メタ認知とは?【意味・定義】
うつ病や全般性不安障害の人は、通常の認知の上のレベルの認知「メタ認知」のやりすぎが問題だとされています。
メタ認知とは、悩んでいる自分と、その自分を外から眺めて悩んでいる、もうひとりの自分がいる、もうひとりの自分の方がメタ認知です。
通常の認知の背後に、もうひとつの認知がひそんでいるのです。
うつ病のメタ認知とは?
・くよくよすることを、くよくよする
【認知】
仕事でも人間関係でも失敗ばかりに目が向いて、いつもくよくよしている。
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【メタ認知】
愚痴を言ってばかりで何もしない自分が嫌。
そんな自分に対してくよくよする。
全般性不安障害のメタ認知
・心配することを、心配する
【認知】
漠然とした不安を感じる。
よくわからないが心配で、仕事や趣味が手につかない。
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【メタ認知】
わけもなく心配しているようではダメだと思って、そんな自分を心配する。
うつ病・全般性不安障害の認知行動療法
【治療のポイント】
メタ認知をとらえる。
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認知の二重構造に気づくと、メタ認知が見えてきます。
メタ認知は「悩みは悩むことで完璧にコントロールできる」というゆがんだ考え方でできています。
何かにチャレンジするとき、心配になるのは当然ですが、それをさらに心配するのが問題なのです。
認知面の改善
【メタ認知の悪循環に気づく】
心配事を心配し続ける状態は頭を使いすぎていて、悪循環につながっていることを理解する。
【利点と欠点をあげる】
憂うつや心配の利点を考える。
反省や準備に役立つという利点より、時間の無駄、解決策が出て来ない、不安が強まるなどの欠点が多いことがわかり、認知が変わる。
※イギリスの認知行動療法家エイドリアン・ウェルズが、うつ病と不安を統一的に扱う治療に取り組んでいます。
行動面の改善
【頭を使うのをやめる】
注意を頭の外に向けるために、軽い体操や呼吸法をして身体の感覚に集中する。
映像や音楽などを楽しむのも良い方法。
心配は放っておくのが正解
心配になることがない人などいません。
心配はなくそうとせず、放っておくことで、平常心で過ごせます。
うつ病の人や全般性不安障害の人は、それに気づかず、自分の中にある抑うつや不安な考えを消し去ろうとして、同じことをくよくよ繰り返し考えたり、心配したりして、逆に抑うつや不安を大きくしてしまっています。
自然に浮かんでくる考えを頭でコントロールするのは不可能だと理解しましょう。
心配事が浮かんだときには、頭を使うのをやめるのが正解です。
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