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ストレス耐性と適応障害

適応障害はストレスが原因となって発症する病気ですが、それだけが原因ではありません。

個人の資質、ストレス耐性が弱いと適応障害を発症しやすいという要因もあります。

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ストレスに耐え、乗り越える力が、人によって違うからです。

ストレスに強いかどうかは、ストレスがあったとき、どのように反応するか、その反応の仕方にも関わりがあります。

ストレスに強いか弱いか?適応障害なりやすい人

同じ職場、同じ環境など、同じストレスにさらされていても、適応障害になる人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか。

それは、人によって、ストレスに耐える力=ストレス耐性が違うからです。

ただ、ストレスがあまりに大きいと、個人のストレス耐性が高くても、適応障害を発症することがあります。

適応障害の原因となりやすいストレスの例

個人のストレス耐性がある程度の強さがあっても、次のような出来事はストレス強度が大きいため、適応障害をおこしやすくなります。

・ガンの宣告
・災害(震災)
・受験失敗
・交通事故の加害者
・離婚訴訟
・家族や親友との死別
・就職失敗

ストレスがあったとき(ラザルスによる8分類)

【これも経験だと思う】
できることはしたと、進歩、発展を目指すプラス思考

【計画を立てる】
慎重に考え、計画的に問題を解決しようとする

【相談する】
他者を信頼して相談したり、社会的な支援を求める

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【反省する】
自分の言動を反省し、悪かったと思ったら謝ることも

【対決する】
解決に向けて積極的に行動する。失敗もおそれない。

【自己コントロール】
怒りや不安を抑え、冷静に問題の解決にあたる

【忘れようとする】
酒を飲んだり、八つ当たりをして、無理に忘れようとする

【逃げる】
自分には関係ないと、考えないようにする

以上のうち、適応障害の人に多いのは「逃げる」です。

問題を見ずに、無理にフタをして逃げてしまう傾向があります。

逆に、適応障害の人に少ないのは「これも経験だと思う」「計画を立てる」の2つです。

環境のストレスによる「エリザベート病」

オーストリア皇后エリザベート(愛称シシィ)が結婚して宮廷に入ったのは16歳の時。

自由奔放に育ったシシィは、皇后として堅苦しい教育を受けてまもなく、うつ状態になってしまいました。

決まった食事しかとらず、身長170cmで体重は50kgに。

美しさを保つためのダイエットと言われていますが、適応障害による神経性無食欲症だったと考えられます。

不幸にも長男を亡くし、それ以来黒い服しか着なくなり、列車でヨーロッパ各地を訪れました。

宮廷から逃げ出し、憂うつな気分を晴らすためもあったのでしょう。

結婚後、周囲がうらやむような環境になっても、適応できなかった皇后から「エリザベート病」と呼ばれるようになりました。

◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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