社会不安障害は病気じゃない?病院への受診を勧めるには?

社会不安障害は、対人恐怖、スピーチ恐怖、会食恐怖など、様々な症状のタイプがありますが、本人も含め、病気ではなく性格の問題と考えている人が多いのも事実です。

人前で緊張するのはごく自然な人間の反応ですが、それが度を超えて、極度のあがり症になってくると「社会不安障害」という病気といえます。社会不安障害は、症状を放置しておくと、パニック障害やうつ病を併発することもあるので、母目に病院を受診して治療をするようにしましょう。

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本人が病院の受診を嫌がる?

社会不安障害の症状がある人に、「病院を受診してみたら?」と伝えても、精神科や心療内科と聞くと抵抗感を抱いてしまい、受診を嫌がるケースも少なくありません。

しかし、社会不安障害は医師の診察を受けて、症状にあった適切な治療をしなければ、自然に治るような病気ではありません。症状をほったからしにしていると、よくならないどころか、うつ病などの合併症を起こすリスクもあります。

例えば、子供に社会不安障害があるが本人が病院へ行くのを嫌がる場合には、まずは親など家族だけで受診し、子供の様子、症状、生活での悩みや問題について、医師に相談することも可能です。実際、家族だけが病院へ相談に来るケースも多いといわれています。

社会不安障害の治療は、家族など周囲の人の協力が必要不可欠なため、家族が医師に子供の病状について相談し、「どのような対応、対処法がよいか」を聞くだけでも意味があります。

病院への受診を勧める方法は?

社会不安障害の子供本人が病院への受診を嫌がる場合、どのように促せばよいのでしょうか。ポイントとなるのは次の4つです。

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①子供本人の悩みに共感する姿勢が大切
「なぜ恥ずかしいの?」とストレートに質問するのではなく、本人の悩みに共感する傾聴コミュニケーションをこころがけることが大切。

②無理に恐怖心を克服させようとしない
無理矢理に恐怖心やトラウマを克服させようとせず、子供本人が不安になる状況をつくらないようにケアをする。

③ゆっくり治していこうと伝える
医師に相談して、的確なアドバイスをもらいながら、一緒にゆっくりと治療していこう、と子供に伝える。あせらせないことが大切。

④一度だけ医師に会ってみよう、と声をかける
病院への受診を拒否する場合、とりあえず一度だけ話を聞いてもらうだけでもいいから、と心理的不安を軽くさせることが大切。「ほうっておいたらダメ」「治さなければ」と精神的プレッシャーをかけるような対応では逆効果になる。

受診への抵抗感をやわらげること

無理矢理、社会不安障害の患者本人を診察へ連れていくことは望ましくありません。まずは、家族だけで医師に相談しに行き、その後、医師の話を聞いて家族の対応が変われば、それを見た本人の気持ちも変わることでしょう。

また、「医師に相談していろいろ教えてもらって役に立った」など、役立つことを伝え、受診することへの心理的抵抗感をやわらげましょう。

例えば、「先生が会いたがっていた」「何も話さなくてもいい」「一度、一緒に来てくれるだけでいい」など、病院へ行くことのハードルを下げる声かけもしてみましょう。

病気の治療ではなく悩み相談として

「病気の治療」というと、誰でも若干は心理的抵抗を感じることでしょう。本人が受診を嫌がる場合には、病気の治療ということはあまり強調しないことも大切です。

例えば、「悩み相談として」「アドバイスをもらえる」など、気軽に病院に行けるような言葉がけも有効です。

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