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注意!高齢者も適応障害になりやすい年齢層?更年期障害も

適応障害というと、学校や職場に適応できない10代や20代、30代くらいまでの年齢層を思い浮かべるかも知れません。

ですが、高齢者で適応障害になる患者数も意外に多いのが現状です。

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高齢者の適応障害は、老後の人生そのものへの不適応といえます。

高齢者における適応障害の特徴とは?

実は、高齢者でも適応障害になる人はかなり多いようです。

考えられる理由として、脳の老化による環境の変化への適応力が低下していることも一因です。

そのため、定年退職後など高齢になってからの家族の移動などのライフサイクルによる環境の激変が、大きなストレスになるのです。

家族の移動とは、死別、子どもの自立、離別などで、家族構成が変化することです。

また、老化や加齢による病気によって、生き方の変化を迫られることもあります。

定年後に仕事がない上に、仕事一筋だったために友人はいないし趣味もない場合は、途方に暮れてしまいがちです。

新しい環境に適応できず、本来の性格や人間関係などの要因から、攻撃的になったり、悲観してひきこもったりします。

老夫婦では、互いに不満をぶつけ合う不幸な事態になることも少なくありません。

適応障害の他にも、うつ病、心気症、心身症などの心の病気になることがあります。

高齢者のストレスや不安のもとは多い

高齢者の適応障害は、今後の人生への不安が根底にあります。

さまざまなものを失う

これまでの能力、生活の支え、心の支えなど、年齢とともに徐々に失っていく。

それが寂しさや不安につながるのは当然のことです。

環境の変化

定年、病気、事故、災難、経済的な変化、家族構成の変化など。

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一人暮らしが増える一方、定年後に夫が家にいることがストレスになる「夫在宅症候群」も。

老化や病気

身体の自由が利かなくなり、活動範囲が狭くなる。

ケガや病気になれば寝たきりも心配。

認知症は「自分では発症したとわからない」と思えば不安も。

高齢者が適応障害になる要因とは?

高齢者の適応障害には、本人の性格傾向が大きく影響します。

周囲にあわせられず、黙って我慢するうちにひきこもってしまったり、自分の生き方を変えたくないので、思い通りにならないとすぐ怒る、といったケースも少なくありません。

【もともとの性格】
年齢とともに、本来の性格が強調されていく。
頑固な人は意見を曲げないし、従順な人は我慢して何もいわない、など。

【人間関係の変化など】
家族、介護、子どもなど、新しい環境で支えてもらえるはずの人たちとの関係が変わってしまう。

【孤独になりがち】
仲間や支援者がいないままでは、適応はより困難になる。

認知症と適応障害の区別も重要

高齢者が抑うつを伴う適応障害になると、認知症との区別が難しくなります。

表情が暗くなり、ひきこもっていると、すぐに年齢のことが頭に浮かび、認知症だと思ってしまいます。

適応障害では、本人が「気分が落ち込む」など、精神状態を自覚していたり、じっくり聞けば悩みや心配ごとを話してくれることもあります。

認知症は、物忘れがひどく、話のつじつま合わなかったり、忘れていることにきづいていなかったりします。

認知症と適応障害は治療法が違うので、しっかりと見分ける必要があります。

認知症かもしれないと思ったら、早めに受診するようにしましょう。

◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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