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抗精神病薬と気分安定薬の種類と副作用について | 適応障害の薬物治療

適応障害の薬物治療では、他の精神疾患につかう薬を処方することもあります。

適応障害という病名よりも症状の方に目を向けて、気分安定薬や抗精神病薬などの他の病気の薬を使用することがあります。

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症状が激しいとき、長引くときなど、患者さんの状態にあわせて薬の種類や飲む量が調整されます。

気分安定薬と抗精神病薬の種類と副作用について、もう少し詳しくみてみましょう。

気分安定薬の種類・例

気分を安定させるには、文字通り気分安定薬をつかいます。

気分安定薬は、主に双極性障害(躁鬱病)に使用する薬です。

ささいなことに大きく反応するような気分の不安定さを鎮める目的で使用されます。

・リーマス(リチウム)
・テグレトール、テレスミン(カルマバゼピン)
・デパケン、バレリン(バルプロ酸)
・ラミクタール(ラモトリギン)
・エクセグラン(ゾニサミド)
・ガバペン(ガバペンチン)

ラミクタール

ラミクタールは、双極性障害やてんかん予防の薬です。

特に若い人で、軽い躁状態がある不安・抑うつに効果があるとされています。

ラミククタールが難治性うつ病に効いた、という報告もあります。

ただし、高い確率で皮膚症状の副作用があります。

スティーブジョンソン症候群(発疹に加えて高熱、だるさ、目の充血、唇のただれ、のどの痛みがあらわれて重篤になる)が20人に1人の確率であらわれるので注意が必要です。

エクセグラン

エクセグランは、双極性障害の治療に用いられることがあり、感情調整効果、抑うつ効果があります。

エクセグランの服用で不安・抑うつ発作が消えた例もあります。

副作用として、重い皮膚症状が出ることがあるので、服用は医師の指示通りにしましょう。

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エクセグランとガパペンは、健康保険適用ではないので確認が必要です。

気分安定薬の副作用

双極性障害の薬には、リチウムが最も多く処方されます。

主に、消化器症状、体重増加、手の震えなどの副作用があります。

大量に摂取すると脳や臓器の中毒症状、甲状腺の機能低下の可能性があります。

バルプロ酸には白血球減少、カルマバゼピンには生命にかかわる副作用もあるので、医師の指示を厳守して服用するようにしましょう。

抗精神病薬の種類・例

抗精神病薬は、主に統合失調症に使用する薬ですが、不安や抑うつを軽減する目的でつかうことがあります。

かつてのタイプを定型、新しいタイプを非定型と呼んでいます。

【非定型】
・リスパダール(リスペリドン)
・ルーラン(ペロスピロン)
・エビリファイ(アリピプラゾール)
・ジプレキサ(オランザピン)
・ロナセン(ブロナンセリン)

【定型】
・セレネース(ハロペリドール)
・コントミン(クロルプロマジン)
・フルメジン(フルフェナジン)

ブロナンセリン

ロナセン(ブロナンセリン)の服用後に光トポグラフィーで検査したところ、前頭葉の血流が増えていた報告があります。

不安や抑うつの軽減につながる薬です。

ハロペリドール

ハロペリドールは、最初は多めに処方して、徐々に薬の量を減らしていくことが通常です。

特に、不安や感情過敏性の軽減に強力な効果を持ちます。

ハロペリドールは注射薬もあり、興奮したり、不安・抑うつのときなどに即効性があります。

抗精神病薬の副作用

【定型】
手の震え、筋肉のこわばり、手や足が勝手に動いてしまう、足がムズムズするなどの副作用(錐体外路性副作用)がある。

【非定型】
錐体外路性副作用はないが、肥満の副作用があるので、糖尿病の人にはつかえない。

◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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