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家族やペットとの死別、ガン告知と適応障害

ほとんどのストレスと折り合いをつけていける人でも、自分の生命に関わる病気の判明や、家族との死別のような喪失体験は、簡単に受け入れることができないものです。

死別などの喪失体験は大きなストレスになる

喪失体験は適応障害の原因ストレスになりますが、とくに重大なものは死別と病気です。

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家族や親友、大切なペットと死別したり、が自分に重大な病気があるとわかると、誰でもショックで呆然としてしまいます。

しばらくは仕事や家事、学校など日常生活のことが手につかず、抑うつや不安を伴う適応障害に陥ってしまっても無理はありません。

しかし、時の流れとともに、少しずつ気持ちが落ち着いてきて、人の温かさにふれたり、新たな生きがいをみつけたりして、冷静さを取り戻していきます。

適応障害は、原因ストレスがなくなってから6ヶ月で回復するとされていますが、死別の場合は別で、家族や親友との死別の悲しみが尋常ではなく、一年以上続く場合に適応障害を診断されます。

グリーフワークとは?

家族や親しい人との死別はストレスの中でも重大なものです。

この悲観から回復までの心理的なプロセスを「グリーフワーク」といいます。

【ショック】
衝撃を受けて混乱する。
取り乱す人も。
冷静にみえても、実は感覚がマヒしていたり、呆然としたりする。

【否認】
死亡した事実を認めたがらない。
頭では「死んだ」ことがわかっても。気持ちでは生きていると思う。

【怒り】
亡くなった人や周囲の人に怒ったり、自分の行為を後悔したりする。
このとき、怒りを押さえ込むと、怒りが自分に向き、心身の健康を損なうこともある。

【抑うつ】
誰にも会いたくない、とひきこもったり、意欲を失い、何も手につかない。

【受容】
あきらめ、事実を冷静に受け入れるようになり、少しずつ悲しみから立ち上がる。

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ストレスの大きさ

配偶者の死 100
離婚 73
配偶者との離別 65
家族の死 63
自分のケガや病気 53
失業(解雇)  47
家族の健康上の変化 44
親密な友人の死 37
就業・卒業 26
上司とのトラブル 23

参照[社会的再適応評価尺度]

更年期障害としての適応障害も

女性の閉経後の10年間には、更年期障害といわれる様々な症状が現れます。

頭痛、のぼせ、動悸、冷え性などの身体的な症状と精神症状が特徴的です。

更年期は、社会的にも家庭的にも環境が大きく変わる時期です。

更年期においては、環境の変化からくるストレスに対応できずに、適応障害をおこしやすくなります。

ホルモンバランスが変わることが抑うつの原因のひとつですが、心理的な影響も少なくありません。

自分自身の重病と適応障害

生命に関わるような自分の重病が見つかることも、心理的に大きなストレスとなります。

病気の治療のために多くのものを失い、あきらめなければいけないことも少なくありません。

特にガンと腎疾患による透析の患者で抑うつになる人は多くいます。

ガンと適応障害

健康診断で「ガンかもしれない」との疑いがあり精密検査を受けるように言われた段階で、抑うつに陥ることがよくあります。

その後、日常生活に支障がでて、まさに生きた心地がしません。

ガンを宣告されたとき、治療が一段落したとき、再発したときなど、ガンではあらゆる段階で、抑うつに陥り適応障害が起こることが多いのです。

また、病気による痛みから、もう死んでしまいたい、生きていてもしかたがない、と思い抑うつになることもあります。

透析と適応障害

腎臓の病気で透析をしている患者は、さまざまなうつ状態の症状を訴えることがあります。

食欲低下、疲れやすい、喜びの喪失など、こうした症状は腎臓疾患からくるものではない精神症状です。

現実を受け入れることができず、適応障害になる人は決して少なくありません。

透析治療は一生続けなくてはならないもので、慢性的なストレスからうつ病へと悪化してしまうこともあります。

◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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