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精神科の入院形態・種類について | 統合失調症の場合

精神科の入院形態は、法律により一般的な入院とは異なります。

自傷・他害の可能性がある場合は、医師の判断で緊急入院となる場合もあります。

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精神科指定病棟への入院は、精神保健福祉法という法律によって入院形態(任意入院、医療保護入院、措置入院)が決められています。

任意入院とは | 精神科の入院

「任意入院」とは、本人が入院に同意して行われる入院です。

入院や退院の時期も「任意」になります。

ただし、本人が退院を希望しても精神保健指定医が必要と判断すれば、72時間に限って退院を制限することができます。

医療保険入院とは | 精神科の入院

「医療保険入院」とは、精神保健指定医が診察して入院の必要性があると判断し、保護者が入院を同意したら入院させることができます。

保護者とは、親、後見人、配偶者(夫、妻)、扶養義務のある者、市区町村長などです。

措置入院とは | 精神科の入院

「措置入院」とは、入院しないと自傷や自殺の危険がある、周りの人へ危害を加える可能性があるといった場合、都道府県知事の権限で、指定された精神科病院に入院させるものです。

2名の精神保健指定医による合議で、措置入院を決定します。

統合失調症の場合の精神科の入院病棟について

現在、統合失調症の治療は外来通院が基本ですが、症状によっては入院する場合もあります。

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精神症状が重く、自殺の危険性や周囲に危険を及ぼす可能性がある場合には、患者本人と家族や周りの人の安全を確保するため、入院して統合失調症を治療することがあります。

自宅で24時間患者本人を観察するのは困難ですが、病院に入院して医師や看護師などの専門家が見守る環境では、自殺や自傷行為、他人に危害を加える危険性はかなり軽減されることになります。

精神科の入院施設(精神科指定病床)には「開放病棟」「閉鎖病棟」「保護室」があります。

開放病棟

病状がそれほど重くない人が入院する病棟。

一般病棟と同じく、自由に出入り可能。

閉鎖病棟

より静養が必要なときや、病状が不安定な場合に入院する病棟。

安全確保のため、出入りには制限あり。

保護室

いっそうの安全確保が必要な心理状態の場合に入る病室。

個室内にカメラを設置するなどして、自殺の危険を最大限に減らすための態勢がとられている。

精神科の入院のメリット

症状の重い時、自殺の危険や家族やまわりの人に危険を及ぼす可能性が高い場合に入院することがある。

本人や家族の安念の確保が入院の主な目的。

・自傷、他害の危険性が軽減される
・きめ細かい観察が可能
・症状に応じた素早い対応、治療ができる

◆この記事は、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター長である水野雅文先生執筆・監修の「ササっと分かる統合失調症(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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