極度のあがり症は性格?治療しても治らないの?【社会不安障害】

あがり症も極度になると、人前に出ると緊張してしまい、うまく言葉が出てこない、頭の中が真っ白になる、息苦しくて汗が出てくる、手足がふるえる、といった症状がみられます。

あがり症はその人の性格や個性の問題であって、病気や障害ではないので治療で治るようなものではない、と考えられていますが、専門的な観点からはどのようにとらえられるのでしょうか。

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あがり症は性格の問題なのか?

人前で発表したりスピーチをしたりするとき、人は誰でも少しは緊張したりするものです。

その「人前で緊張する」という状態は人間にとってごく自然な反応であるため、「病気だ」と考える人はほとんどおらず、あがり症は性格の問題と考えるのが一般的です。

そうしたこともあり、極度のあがり症を「社会不安障害かもしれない」と考える人は少なく、本人も周りの人も、極度のあがり症を「緊張しやすい性格」「内気」「ビビりやすい」と個性や性格が原因だと思い込んでしまいます。

あがり症の原因がその人の「性格」や個性であるとすれば、それを変える、あがり症を克服するのはとても難しいことになってしまいます。本人の努力や教育で改善するしか情報がなくなってしまいます。

そのため、緊張しやすいあがり症の人は周りの人から「もっと自信を持って」「強い気持ちで」「マイナス思考はやめてポジティブ思考で」と言われることが多くなり、本人も「自分がダメなんだ」と自責感情を強めてしまうケースが多くみられます。

極度のあがり症は性格ではなく病気?

たしかに以前の精神医療の世界でも、あがり症が病気だとは考えられていませんでした。

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しかし、単なる緊張だけでなく、会議や授業に対して非常に強い不安や恐怖を感じ、会社や学校を休むほどの症状になってくると「人間の自然な反応」とは言えません。

日頃の生活に問題や支障が生じるほどの「極度のあがり症」は、性格が原因の問題ではなく、精神疾患「病気」として扱うべきだ、と現在では病気に対する考え方が変わってきています。

治療すればあがり症は治る?

強い不安感、恐怖感を感じる極度のあがり症は、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れてしまうことが原因と考えられています。

アメリカ精神医学界の診断指針であるDSMにおいても、1980年のDSM-3以降から「社会不安障害(SAD)」が障害として位置付けられるようになっています。

極度のあがり症について、本人の性格が原因という考え方から「病気である」ととらえ方が変化すると、それに伴って対応や対処法も変わってきます。

極度のあがり症「社会不安障害」は、本人の性格や個性の問題ではなく、治療可能な病気のひとつなのです。

極度のあがり症(社会不安障害)に対する考え方

①性格や個性の問題ではなく、精神疾患(病気)である
②薬物治療と精神療法で症状が改善、完治する
③長い経過をたどる不安障害のひとつ

性格と病気の判断、区別は難しい

「恐怖や不安におそわれて悩んでしまう」というあがり症は、性格なのか、病気なのか、区別することは難しいといえます。

緊張すること自体は誰でもおこりうることで、どの程度の症状であれば「病気」と呼べるのでしょうか。

あがり症がそこまでひどくない「病気の心配がない」場合は、すぐに病院で治療を受ける必要はありません。

しかし、学校生活や会社での仕事など、社会生活に支障が出て問題を生じさせてしまうほどの不安や恐怖を感じるのであれば、医師による治療が必要といえます。

「極度のあがり症でつらい」と悩んでいる人は、精神科を受診して医師に相談するようにしましょう。

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