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森田療法による強迫性障害の治療効果は?あるがままを受け入れる

あるがままを受け入れる「森田療法」とは、神経症治療を目的にした日本生まれの精神療法です。

強迫性障害の治療においても、森田療法はいま現在も注目される役立つ治療方法のひとつです。

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気にするから余計に気になる

強迫性障害の強迫観念や強迫行為は、気になって打ち消そうとするからこそ強まってしまう、ととらえるのが森田療法の考えです。

【不安を引きずりやすい素質】
心身の変化に過敏に反応して、強い不安を体験しやすい資質がある(ヒポコンドリー性基調)。

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【感覚や考えにとらわれる】
ささいな感覚や不安、恐怖、特定の考えなどは、気にしだすと注意が向いてますます気になり、とらわれの状態に陥る(精神交互作用)。

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【気にしないよう努力するが…】
気にしないように努力したり、「バカバカしい」と打ち消そうとするほど、ますます意識が集中して、とらわれが深まる(思想の矛盾)。

森田療法とは?

森田療法とは、日本の精神医学者、森田正馬(もりたしょうま)が創始し確立した精神療法です。

「臥褥安静期」「軽作業期」「重作業期」「日常生活訓練期」という4期からなる入院治療をおこなうのが基本方法です。

森田療法では入院治療が基本ですが、近年では、外来治療もさかんになってきています。

強迫性障害と森田療法

誰にでも不安はあって当然、という考えが森田療法の根底にあります。

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強迫性障害の患者本人は、あって当然の不安を否定したり、なんとかして逃れよう、恐怖を解消しようとするから、悩みが増大するのです。

森田療法では、不快な感情をありのままに認め受け入れる、つまり「あるがまま」の自分を受け入れることが重視されます。

森田療法の治療を通して「あるがまま」の姿勢が「自己をいかす」ために大切であることを体得していきます。

森田療法の強迫性障害の治療は?

強迫性障害の人によくある、完璧に綺麗な状態を保ちたいというこだわりも、実はとらわれです。

森田療法による治療を通じて、ほどほどの状態を受け入れられるようにしてきます。

【通院】
定期的に通院して、治療者と面接を重ねながら、治療を進めていく。

【日記・通信】
日記やメールで治療者とのやりとりを重ね、自分を見直すきっかけをつくる。

【入院】
場合によっては入院し、森田療法の考えを実践的に学んでいく。

完璧主義ではなく「60点主義」を

完璧な状態を求めれば求めるほど、「100点でなければ0点と同じ」という思考に陥って、身動きが取れなくなってしまいます。

完璧主義ではなく、「60点でもよし」とする「60点主義」で、不安や心配などの感情、とらわれから抜け出すのです。

不安を受け入れる

不安を完全になくそうとするのではなく、「多少の不安はあるもの」として受け入れるうちに、自然に不安は気にならなくなる。

森田療法の自助グループ

同じような悩みを抱えている人達が支えあい、森田療法を学び、実践していく自助グループ(生活の発見会)が、全国規模で活動しています。興味があれば参加するのも良いでしょう。強迫性障害を回復した人の体験談は、治療を続ける励みになることでしょう。

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