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境界性人格障害の治療を支えるためには何が大切?

境界性人格障害の治療を順調にすすめていくためには、患者本人ひとりの力だけでは到底できません。

患者本人の治療に関わるのは、医師だけではなく、多くの医療スタッフが患者さんを支えます。

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また生活場面での支えとなる家族も、大きな役割をもっています。

チームで境界性人格障害の治療をすすめる

人間関係に問題をかかえやすい境界性人格障害の特徴は、治療の場面でもあらわれます。

医師と患者さん本人の一対一の関係で治療を進めようとすると、うまくいかなくなり、治療が中断してしまうこともすくなくありません。

そのため、境界性人格障害の治療は、チームとして取り組むのが基本です。

実際の境界性人格障害の治療は、主治医・医師が行う外来での面接や薬物療法が基本となってきます。

また医師以外の医療スタッフや地域の保健所などとも相談し、本人の症状や状態の必要に応じて入院治療を受けたり、デイケアなどの施設を利用したり、家族療法を導入したりしていきます。

どんな人たちが境界性人格障害の治療に関わるのか?

境界性人格障害の治療では、どんな人たちが関わることになるのでしょうか。

治療全体のとりまとめ役となる医師を中心に、看護師、心理技術者、ケースワーカーなどの治療チームが家族などと連携し、治療をすすめることが一般的です。

患者本人

主治医と患者だけの関係にしないこと。

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医師に対して「理想化とこき下ろし」が起こり、治療が続けられなくなってしまうこともあります。

これを防ぐためにはチームでの治療への取り組みが大切です。

境界性人格障害の患者本人の日常生活で関わる人

家族

家族療法などでも治療に関わることもある。

家族の適切な対応は、患者さんの安定化につながる。

恋人・友人・仕事先の同僚

直接、治療チームと接触する機会はあまりないが、患者本人の精神状態に影響を与えることが多い。

対応方法の仕方を理解しておくことが大切。

境界性人格障害の治療を支える治療チーム

医師・主治医・専門医

外来で患者さんの状態を把握し、他のスタッフとの連絡を密にしながら治療全体のマネジメントをおこなう。

個人精神療法をあわせておこなうこともある。

看護師・保健師

患者さんと接する機会が多い。

とくに入院治療の場合、患者さんを支える役割が大きい

心理技術者・カウンセラー

医師の依頼で心理検査を行ったり、精神療法(カウンセリング)を担当したりする。

地域の保健所など

家庭環境によっては、患者さんだけでなく家族に対するケアが必要になることもある。

地域の精神保健を担う保健所や、福祉関係の担当者、ケースワーカーなどとも連携をとる。

デイケア施設など

社会復帰へ向かう手段のひとつとして、デイケア施設へ通所することもある。

◆この記事は、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授、牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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