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境界性パーソナリティ障害の特徴とは?境界ってどういう意味?

「境界」とは、どういう意味があるの?

境界性パーソナリティ障害とは、2つの心の病の境界線状にある症状です。

「境界」という言葉に象徴されるように、境界性パーソナリティ障害は、神経症と統合失調症の両方に似ている点があります。

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それが境界性パーソナリティ障害の特徴でもあります。

あるときは軽い症状に思えるのに、またあるときは統合失調症のような非常に重い症状があらわれる、のも境界性パーソナリティ障害の特徴といえます。

境界性パーソナリティ障害は、多種多様な症状を現し、神経症と統合失調症の境界線状を揺れ動く、特定が困難な障害です。

神経症とは?特徴と主な症状

心の病気のひとつ「神経症」とは、ささいなことが不安でたまらなくなったり、強いストレスのために自分が自分でないように感じるなど、心の問題が精神身体症状になって現れる状態です。

精神的な不安やストレスが、ときには腹痛や頭痛などの症状となることもあります。

現在は「不安障害」「解離性障害」などの診断名が使われています。

統合失調症とは?特徴と主な症状

統合失調症とは、妄想や幻聴などの症状が現れ、現実の捉え方が大きく歪んでしまう心の病気です。かつては「精神分裂病」と呼ばれていました。

統合失調症の特徴は、現実の認知が大きく歪み、ものの見方や考え方に一貫性がなくなっていきます。

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例えば「自分は命を狙われている」といった妄想を抱き、それを真実だと思い込んでしまう、というのも統合失調症の症状のひとつです。

境界性パーソナリティ障害の定義・診断について

「特定のこの病気」と判断しにくい、境界線状にある症状が概念として確立し「境界性パーソナリティ障害」となりました。

もともとは「境界例」と呼んでいた症状の中でも、感情が激しく揺れ動く、非常に強い不安を感じる、不安定な人間関係などを特徴とする部分が、境界性パーソナリティ障害と診断されるようになっています。

前述のように、境界性パーソナリティ障害は、もともとは神経症と統合失調症との境界という意味で「境界例」とされてきたものです。

神経症をはるかに超えた症状があるが、統合失調症ほど重傷ではないといった場合や、どちらとも診断できない、という、まさに境界線上に位置するものとして扱われてきました。

その後、心の研究が進むことで「境界例」の一部分が、現在の境界性パーソナリティ障害と定義つけられたのです。

あせり(焦燥感)や不安感は、境界性パーソナリティ障害の特徴のひとつです。

また、神経症のような症状、統合失調症のような症状、どちらともとれる症状が現れ、ひんぱんに会話が脱線し、話の内容がつかみにくい、という症状が現れることもあります。

◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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