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最初の兆候や症状は?うつ病の始まりについて

うつ病の最初の兆候は、ごく小さな変化から始まります。

たとえば、仕事がうまくいかないとか、やる気が起きないとか、誰でもたまにはあることなのでなかなかその変化に気がつきません.

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仕事がうまくいかなくて落ち込んだとき、元気な人ならすぐに気持ちを切り替えることができますが、うつ病の場合は気持ちの切り替えがうまくできません。

うつ病の人はその落ち込みから抜け出せなくなったり、憂うつな気分が続き、何もやりたくない気持ちになり、ベッドから起き上がれなくなったりします。

「もしかしたら、うつ病かも?」と思って、インターネットなどでうつ病についてを調べてみると、全部当てはまることばっかりだったという人も多いようです。

うつ病の兆候、症状について

うつ病のとき、心に現れる変化のうち、代表的なものは次の6つです。

①抑うつ気分が現れ、楽しい気分が消える。

「気分が晴れない」
「ゆううつだ」

②意欲や興味、関心が低下する。

「何もやりたくない」
「どうでもいい」

③不安や焦りがつのる。

「あれもこれも心配」
「イライラする」

④思考力、判断力が低下する。

「集中できない」
「どうすればいいのかわからない」

⑤自責感が強い。

「みんな自分が悪い」
「自分はダメ人間だ」

⑥希死念慮がある。

「消えてしまいたい」
「いなくなってしまいたい」
「死にたい」

この中でも、「①抑うつ気分が現れ、楽しい気分が消える」と「②意欲や興味、関心が低下する」は、医学的に重要であるとされる心の症状です。

この2つの症状が2週間以上続くときには、うつ病の可能性が高いと見なされます。

誰でも時には憂うつな気分になることはありますが、うつ病の人は憂うつな気分が1日中ずっと長引くことが特徴です。

また、気分が沈むというよりも、イライラする感じのほうが強い人もいます。

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うつ病は脳の病気なので思考力が低下して、いつものように考えがまとまらず焦ったり、自分を責める気持ちも出てきます。

家族や仕事先などまわりの人には「何となく機嫌が悪そう」「イライラしている」というように見られることも多いようです。

本人も家族も気づきにくい、うつ病の最初の兆候

一緒に生活している家族は、最初に朝の異変に気がつくことが多いと思います。

例えば「からだがだるい」と言って、朝起きられなくなったり、毎朝読んでいた新聞が読めなくなったりすることがあります。

また、犬の散歩もできなくなったり、朝食もいつも通りには食べられなくなったりします。

仕事や学校に行くのを嫌がり、服装もだらしなくなっていくことが多いようです。

本人もうつ病だとは気づいていないことも多く「昨日、飲み過ぎたせいで起きられない」と言ったりします。

「どんよりとしただるさ」をどのように言葉で表現すればいいかわからなくて、また誰かに説明する気力もおきないのが特徴です。

本人は「何か変だ」と思っても、なかなか家族に言い出せないことも多く、行きたくないのに無理して学校や会社に行き続け、ついには倒れてしまい気がついたら救急車の中だったとか、病院のベッドの上だったいう話もあります。

「忙しいから身体が疲れているだけ」とか「気のせい」と思い込もうとする気持ちが強く、自分が病気だという自覚を持てないのです。

あまりにも急激な変化があらわれると、家族はパニックになってしまいます。

冷静に対応するように、と言われても、うつ病の知識がなければ無理な話です。

家族も本人も何の病気か分からないのですから、困惑することが多いようです。

まずは身近な医師に相談することが大切です。

また、家族がうつ病に関する正しい知識を身につけることも大切です。

◆この記事は、精神科医/北里大学大学院産業精神保健学教室、衛藤理砂先生執筆・監修の「〈医師〉〈看護師〉〈患者・家族〉による うつ病の本 (岩波書店)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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