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ガンがうつ病の原因となる!?メンタルヘルス

心の風邪ともいわれるうつ病ですが、実は「ガン」がきっかけとなって、うつ病を引き起こすことがあります。

ガンの様々な症状に隠れて、うつ病の発症が見逃されることも多く、メンタル面、精神面への注意が必要です。

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精神的なショックからうつ病になることも

ガンは早期発見による早期治療や、医療の大幅な進歩によって、多くの場合、完治が期待できるようになってきました。

しかし、命に関わる重大な病気であることから、ガンであることを告げられると、患者さんは大きな精神的ショックを受けます。

たいていの人は、絶望感を乗り越え病気を受け入れて治療に専念することができます。

しかし、20〜40%の人は抑うつ状態が続き、うつ病になるといわれています。

しかし、ガンによるうつ病は身体の症状によって覆い隠され、未治療のままうつ病が放置されることが少なくありません。

ガンとうつ病の関係

うつ病とガンの関係では、次のような仮説があります。

【仮説①】
うつ病では、ガン細胞を食べてしまう「ナチュラルキラー細胞」の活動が低下するため、ガンが発症しやすくなる。

【仮説②】
ガン細胞からでた抗体が受容体と結合することでセロトニンの働きを抑えてしまい、うつ病を招くことになる。

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ガンの予兆!1?警告うつ病とは

高齢者でガンになった場合、その病気の発見に先立ち予兆のようにうつ病がおこることがあります。

こうしたうつ病を「警告うつ病」と呼びます。

ガンの中でも特にすい臓ガンの場合、警告うつ病が現れる割合が高く、約50%のすい臓ガンの患者さんが、身体症状を自覚するおよそ半年前に、うつ状態などの精神症状が先行するといわれています。

また、結腸ガンでは17%が警告うつ病に、その他のガンでは20%の人に警告うつ病があらわれる、という調査結果もあります。

ガンの種類とよるうつ病の発症率

ガンの部位や種類と、うつ病の発症率について、次のような調査データがあります。

・喉頭ガン 45%
・乳ガン 30%
・胃ガン 11%
・すい臓ガン 50%
・結腸ガン 25%
・子宮頸ガン 23%
・リンパ腫 17%
・急性白血病 1%

上記のようなガンによるうつ病は、身体症状によって覆い隠されやすく、うつ病の発見が遅れたり、うつ病の存在に気づかないことが多いので注意が必要です。

警告うつ病の特徴

①うつ病になったことがなく、生活や仕事も安定しているのにうつ病を発症
②うつ病の要因がなく、突然にメンタルの状態が変化した
③うつ状態が次第に悪化する
④体力の減退や興味の減退がみられる
⑤日内変動が認められない
⑥体重が短期間に9kg以上減った
⑦うつ状態は軽度だが、治療薬を服用してもうつ病の状態が軽快しない

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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