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インフルエンザがうつ病の原因になる?

一見すると、うつ病とは無関係と思える身体の病気も、うつ病を引き起こす原因になることがあります。

どのような身体的な病気がうつ病のきっかけになりやすいのか、もう少し詳しくみてみましょう。

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ホルモンや電解質の乱れがうつ病を起こす

体調がよくないと気分がふさぎ込み、身体的な病気が精神的なストレスとなって、その結果、うつ病になることがあります。

身体の病気が身体の中のバランスを崩すことでうつ病を発症してしまうのです。

うつ病を招く恐れのある代表的な病気のひとつに「内分泌疾患」があります。

内分泌疾患になると、ホルモンや電解質(ナトリウムなどのイオン)のバランスや、中枢神経系の情報伝達が混乱します。

すると、脳内での情報の調整に乱れが生じ、気分の変調や意欲の低下、欲動の異常などがあらわれると推測されています。

たとえば、甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンの減少、褐色細胞腫ではカテコールアミン(神経ホルモンの一種)の増加によって、うつ病が起こると考えられています。

糖や脂質の過剰、ビタミン不足もうつ病の原因に

生活習慣である糖尿病、高脂血症などの、代謝(栄養分を体内に取り入れて、不要になったものを出す働き)に異常を起こす「代謝疾患」がきっかけとなり、うつ病を発症することがあります。

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血液中の糖や脂質などが過剰になると、脳の神経細胞を変性させ、うつ病が起こると指摘されています。

身体の病気が原因でうつ病になったとしても、「元気がないのは体調のせいだ」と本人や家族、主治医は思ってしまいがちです。

内科的な治療を受けても、気力がわかない、意欲が出ないなど、気分の変調が続く場合は、念のために精神神経科の受診を考えてみましょう。

うつ病の要因になる主な身体の病気

【感染症】
・結核
・ウイルス性肝炎
・インフルエンザ
・肺炎

【内分泌疾患/代謝疾患】
・甲状腺機能低下症
・橋本病
・高脂血症
・アジソン病
・クッシング症候群
・糖尿病
・副甲状腺機能亢進症
・褐色細胞腫
・低ナトリウム血症
・低カリウム症

【膠原病】
・エリテマトーデス
・強皮症
・慢性関節リウマチ

【循環器疾患】
・高血圧
・低血圧
・慢性心不全
・心房細動
・心筋梗塞(回復期)
・反復性狭心症

【腎疾患】
・慢性腎炎
・人工透析

【中枢性疾患】
・脳腫瘍
・慢性硬膜下血腫
・水銀中毒
・脳血管障害後遺症
・パーキンソン病
・認知症の初期
・頭部外傷後後遺症

【呼吸器疾患】
・慢性肺気腫
・肺繊維症
・ぜんそく
・肺結核
・睡眠時無呼吸症候群

【その他】
・産後
・手術後
・アルコール依存症

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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