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うつ病とは?うつ病の基礎知識について

うつ病は決して特別な病気ではありません。

年齢や世代を問わずに、誰でも発病する可能性のある病気です。

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うつ病になっても、最初のうちは多少なりとも仕事をしたり家事をしたりと日常生活を送ることができます。

周囲からみると、それほどつらそうには見えないかもしれませんが、うつ病は見た目以上にとてもつらいものなのです。

なかには、自分だうつ病と気がついても、無理をして平静を装うとする人もいます。

また本人がうつ病であるという自覚がないと、治療に結びつくまでに長い時間がかかります。

状態が悪化してから、やっと周りの人が病気だと気がつくことがすくなくありません。

本人と家族や友人がうつ病についての正しい知識を持っていれば、もっと早くに治療を開始でき、もっと早く楽になれたのに思われるケースが数多くあります。

①うつ病は、治る可能性の高い病気です。

できるだけ早い時期に治療を始めれば、病状が楽になります。

逆にうつ病をこじらせると、症状が重くなって治りにくくなったり、「死にたい」「消えてしまいたい」という思いが強くなったりします。

②うつ病は、こころに原因のある病気ではありません。

「心が弱いから、うつ病になる」というのは誤解です。

また本人の甘えや怠けでもありません。

脳の働きに何らかの障害が現れ、それに加えてもともとの性格、生活環境の変化、体調や身体の状態が複合的に重なり合って病的な症状を引き起こすものです。

③うつ病は、脳の病気です。

うつ病の人の脳の中では、ある特殊な変化が起きていると考えら得ています。

うつ病は、心の病気というよりむしろ脳の病気です。

④うつ病は、だれでもかかりうる病気です。

統計的な調査によると、日本人の6〜7人に1人は一生の間に一度はうつ病にかかることが明らかになっています。

また、100人いればそのうちの2人か3人は現時点でうつ病だという報告もあります。

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このように、うつ病は「よくある病気」のひとつです。

⑤うつ病は、心と身体が疲れきった状態です。

人は誰でも悲しみや落ち込み、むなしさ、怒り、不安、絶望などの感情を抱くことがあります。

それはごく自然な心の反応であり、それらを乗り越えていくことは人としての成長に欠かせません。

ところが、乗り越えられないほど、心と身体が疲れきってしまい、日常生活に支障をきたすようになる場合もあり、それがうつ病の時の状態です。

⑥すぐに心療内科か精神科を受診しましょう。

激しい腹痛がある時はないか平気、ケガで深い傷を負った時は外科へ行くのと同じように、「気分が落ち込んで立ち直れない」「憂うつな気分がとれない」と感じたら、まずは専門医を受診してください。

⑦治療に基本は薬と休養です。

うつ病の初期には薬と休養を基本とした治療を優先しておこない、病状が改善してきたらカウンセリングなどを併用して治療します。

自分の判断で勝手に薬の量を減らしたり、途中で薬をやめたりすると回復に時間がかかり、病状が悪化することもあります。

⑧絶対に自殺しないこと

「死にたい」「消えてしまいたい」という思いが強くなる、うつ病の特徴のひとつです。

そのような気持ちが生じても、実際には行動に移さないことを心に決めてください。

⑨焦らず地道に治療に取り組むことが大切

うつ病は、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら、ゆっくりと回復していくことが多いです。

ささいな変化でも、良くなった点に目を向け、希望を持って治療に取り組みましょう。

⑩治療には家族や周囲の人のサポートが必要です。

「がんばれ」と励ますと本人の負担になりやすいです。

患者本人のつらさを十分に理解したうえで、決して焦らせることなく、優しく見守り、適切なアドバイスをして支えることが家族の大切な役割です。

◆この記事は、精神科医/北里大学大学院産業精神保健学教室、衛藤理砂先生執筆・監修の「〈医師〉〈看護師〉〈患者・家族〉による うつ病の本 (岩波書店)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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