85 夜もすがら〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】

85 夜もすがら〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】

85 夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり 【俊恵法師】

読み方(よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり)

出展「千載和歌集」

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意味「85 夜もすがら〜」

一晩中、恋に思い悩んでいるこのごろは、なかなか夜が明けず、寝室の戸のすき間までが薄情に感じられてしまうのです。

作者:俊恵法師とは?

この歌を詠んだ俊恵法師(しゅんえほうし)は、平安時代末期の僧です。17歳の時に父親を亡くし出家しました。

第71番歌の詠み手である源経信の孫にあたり、第74番歌の詠み手:源俊頼の子供にあたります。

俊恵法師は、京都の自宅「歌林苑(かりんえん)」に歌人を集めて、毎月、歌会や歌合を開催していました。その会には、男女問わず、さまざまな身分の歌人が集まったそうです。

また、俊恵法師は、方丈記の作者で有名な鴨長明の歌の先生でもありました。

解説「85 夜もすがら〜」

この歌は、作者の俊恵法師が歌合の場で、女性の立場になって詠んだ歌です。

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当時、男性が女性の立場になって歌を詠む、というのはごく一般的なスタイルでした。

この歌では、夜、恋人が来るのを待ち続け、寝室のすき間に何度目を向けても暗いままで、来ない恋人を待つ夜の長さ、夜明けの長さを、重ねてあらわしています。

「よもすがら」の「よ」は「夜」の意味で、「一晩中」のkとになります。

「物思ふころは」は「(冷たいあの人のことをうらんで)思い悩んでいるこのごろは」という意味です。

「明けやらで」は、「早く朝になればいいのにと思うのに、なかなか夜が明けないのです」となります。

この歌の第三句の「明けやれで」は、書籍によっては「明けやらにぬ」としているものもあります。

「閨のひま」は、「寝室のすき間」を指し、ここでは戸のすき間を意味しています。

恋人が自分に冷たい上に、寝室のすき間までもが、私に薄情に感じられる、という意味になります。

「よ」から始まる二字決まりの歌

上の句の最初が「よ」から始まり、二文字目でどの歌か決まる「二字決まり」の歌は、この歌と第62番歌があります。二字目に注意して覚えるようにしましょう。

62 よをこめて ー よにあふさかの
85 よもすがら ー ねやのひまさへ

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