和歌の「六歌仙」「三十六歌仙」とは?誰、意味、読み方は?

和歌の「六歌仙」「三十六歌仙」とは?誰、意味、読み方は?


和歌の百人一首の作者(歌人)の中には、「六歌仙」や「三十六歌仙」と呼ばれる人たちがいます。

読み方はそれぞれ「六歌仙(六歌仙)」、「三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)」と読みます。

今回は、和歌の「六歌仙」と「三十六歌仙」について、それぞれの意味は?、人物は誰?、選んだ選者は?などについてポイントをまとめてみたいと思いますね。

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和歌の「六歌仙」の意味は?

六歌仙の読み方は「ろっかせん」です。

六歌仙とは、平安時代初期の「六人の和歌の名人」のことを意味する言葉です。

六歌仙を選んだ、挙げた人(選者)は「紀貫之」

和歌の名人の六人の人物=六歌仙を選んだ選者(挙げた人)は、紀貫之(きのつらゆき)です。

紀貫之は、百人一首の35番歌「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」の作者ですね。

また、和歌の名人である六歌仙のうち、五人の歌が百人一首にのっています。

①喜撰法師(きせんほうし)
8 わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり

②小野小町(おののこまち)
9 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

③僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
12 天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ

④在原業平(ありわらのなりひら)
17 ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

⑤文屋康秀(ふんやのやすひで)
22 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ

⑥大伴黒主(おおとものくろぬし)
詳細不明

六歌仙のうち「大伴黒主(おおとものくろぬし)」という歌人だけは百人一首の和歌になっていません。そもそも「大伴黒主(おおとものくろぬし)」がどんな人物なのか、くわしいことはほとんど分かっていないようですね。

六歌仙に対する紀貫之の評価が厳しくて超辛口

六歌仙の選者である紀貫之が、六歌仙の人物ひとりひとりに対して、次のように評価しています。

和歌の名人として選んでいるのでベタ褒めしているのかと思いきや、なかなか厳しい内容で超辛口です。笑

・喜撰法師について
「言葉がぼんやりとしていて、はじめと終わりがはっきりしない。いわば秋の月が明け方の雲におおわれているよう。」

・小野小町について
「優美で趣はあるが、勢いがない。いわば、美しい女がわずらっている姿に似ている。」

・僧正遍昭について
「歌に特色はあるが、真実味に欠ける。例えば、絵に描かれた女性に無駄に心を動かすようなもの。」

・在原業平について
「気持ちは有り余っているが、言葉が足りない。しぼんだ花がにおいだけ残っているような感じ。」

文屋康秀について
「言葉は巧みだが、その身は似合っていない。いわば、商人が良い着物を着ているよう。」

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新六歌仙もある?

ちょっとややこしくて混乱してしまうかもしれませんが、「新六歌仙」というものもあります。

「新六歌仙」とは、藤原俊成、九条良経、慈円、藤原定家、藤原家隆、西行の六人のことを意味します。

「六歌仙」に倣って、六人をもって和歌の名人とする、という流れが後の時代におこなわれるようになったからです。

「あれ?藤原定家って六歌仙じゃないの?」と疑問に持たれた方は、六歌仙と新六歌仙の混乱の闇にのまれてしまった、といえそうですね。笑

三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)とは?

六歌仙に似た言葉で「三十六歌仙(三十六歌仙)」という言葉もあります。

三十六歌仙とは、平安時代の貴族である藤原公任(ふじわらのきんとう)が編集した「三十六人撰」をもとにした「すぐれた三十六人の歌人」の意味です。

つまり、六歌仙の選者は紀貫之、三十六歌仙の選者は藤原公任、ですね。

三十六歌仙のうち、次の25人の歌人が百人一首の作者の中にいます。結構多いですね。

三十六歌仙の歌人と歌一覧|百人一首

柿本人麻呂
3 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

猿丸大夫
5 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき

大伴家持
6 かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける

小野小町
9 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

僧正遍照
12 天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ

在原業平
17 ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

藤原敏行
18 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ

伊勢
19 難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや

素性法師
21 今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな

藤原兼輔
27 みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ

凡河内躬恒
29 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花

壬生忠岑
30 有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり 憂きものはなし

坂上是則
31 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪

紀友則
33 ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ

藤原興風
34 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに

紀貫之
35 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける

平兼盛
40 しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで

壬生忠見
41 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか

清原元輔
42 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは

藤原敦忠
43 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり

藤原朝忠
44 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし

源重之
48 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころか

大中臣能宣
49 みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ

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