新型うつ病の種類と症状について

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新型うつ病の種類と症状について

新型うつ病と呼ばれているうつ病は、医学的な見解がまだ定まっておらず、「逃避型」「非定型」「未熟型」などの名称が提示され、見当を加えている段階にあります。

昔からあった新型うつ病

新型うつ病と一般に呼ばれているうつ病は、少なくとも1960年代から知られていました。

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ですが、現在になっても新型うつ病については、医学会で一致した見解が出ているわけではありません。

大きく分けると、5つの新しいタイプのうつ病が報告されています。

逃避型うつ病(1977年・広瀬徹也)

逃避型うつ病は、若いエリートサラリーマンの男性に多くみられます。

従来のうつ病が、困難を突破しようと働きかけ、疲れ果ててうつ病を発症したのに対して、逃避型うつ病では、困難に直面すると問題解決をあきらめ、不安や苦悩の少ない抑うつ状態に逃避する傾向があります。

逃避型うつ病の発病初期には、不眠症状や日内変動があり、仕事には意欲を失い、遊びや運動には比較的活発になる傾向があります。

過保護な養育環境を含め、気弱な病前性格、ストレスの多い時代的背景が重なって、逃避型うつ病が発病するのではないかと考えられています。

非定型うつ病(1988年・コロンビア大学)

非定型うつ病は、主に20歳前後に多くみられます。

小児期や思春期に、極端に恥ずかしがりで、20歳前後の対人関係のストレスがきっかけとなり、強い倦怠感、過眠、過食をともなううつ状態が現れます。

非定型うつ病では、職場や仕事においてうつ状態が強いのですが、いったん仕事から離れるとうつ状態は解消される特徴があります。

また、従来のうつ病とは異なり、楽しいことがあると気分がよくなる「気分の反応性」が認められます。

非定型うつ病の人は、周りの人に拒絶されると、怒ったり、泣きわめいたりと過敏に反応します。

現代型うつ病(1991年・松浪克文)

現代型うつ病は、若いサラリーマンに多くみられるうつ病です。

組織や秩序への一体感、忠誠心を拒否し、同僚との連帯感をもたないのが現代型うつ病の特徴といえます。

集中力の低下、精神作業能力の低下を自覚すると欠勤してしまい、他者への迷惑がかかると罪悪感、自責感は抱きません。

現代型うつ病では、従来のうつ病にみられる几帳面、責任の強さは職場では発揮されず、趣味などの領域で現れます。

従来のうつ病では、早期の職場復帰を望みますが、現代型うつ病では、復帰の先送りや制限勤務を求めることが多くみられます。

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復職時にはパニック発作や職場の前まで行っても入れず戻ってしまう出社恐怖など不安症状がみられがちです。

未熟型うつ病(1995年・阿部隆明)

未熟型うつ病は、若年者に多く、不安や焦燥感、イライラが多いのが特徴です。

要求する段階では他者への依存が強く、かなえられないと攻撃的になるなど、他者に配慮する従来のうつ病とは異なります。

未熟型うつ病の病前性格は、自己中心的で自分の能力を過大評価する傾向があります。

未熟型うつ病の主な症状に、日内変動、早朝覚醒、食欲低下がみられます。

ティスチミア親和型うつ病(2005年・樽味伸)

ティスチミア親和型うつ病は、若年層に多くみられます。

代表的な症状として、抑うつ状態、意欲の低下、心的疲労感を自ら訴えます。

ティスチミア親和型うつ病では、仕事や学業に前向きに取り組んだ経験が乏しく、執着気質のような真面目さ、熱心さがみられません。

また、従来のうつ病とは異なり、ティスチミア親和型うつ病は環境へ適応しようとする姿勢に乏しく、うつ病になるとあきらめ、社会参加への努力を放棄する傾向があります。

また、自己愛が強く、他罰的な傾向も多くみられます。

新型うつ病が増加した理由とは

昔から報告されていた新型うつ病が、近年急に増加したのには、青年にとってストレスフルな社会になったこともあるでしょう。

さらに、次のような3つの理由も考えられます。

ひとつ目は、ICDやDSMなどの診断基準が診療の現場に導入されて、うつ病の概念が広がったことです。

このため、従来の典型的なうつ病以外のうつ状態もうつ病の範疇に入るようになりました。

二つ目は、精神科の受診に抵抗が少なくなったため、気軽に受診する人が増えてきたことがあげられます。

三つ目は、テレビやインターネットなどでうつ病の情報に触れる機会が増えたことです。

従来の典型的なうつ病の人は、おっくう感のため情報媒体を見たり、操作したりはできません、

しかし、比較的活動的な新型うつ病の人は、これらのメディアから該当する項目を見つけ、自分でうつ病だと判断するのかもしれません。

実際、病院を訪れて開口一番「自分はうつ病だから、休業するよう診断書を書いてください」と言う人も少なくありません。

従来のうつ病の人は、病気と認めたり、休業を求めるなどの言動はまずありませんので、家族や周囲の人の注意が必要です。

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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