どうやってうつ病と診断される?初診の問診内容とポイント

ID-100102452

どうやってうつ病と診断される?初診の問診内容とポイント

精神科医はこうしてうつ病を見立てる

うつ病の可能性を感じて精神科を初めて受診したとき(初診時)、どのような内容の質問をされたり(問診)、どんな検査を受けたりするのでしょうか。

スポンサーリンク

うつ病の診断の様子についてみてみましょう。

診断のため、問診が中心となるうつ病の初診

外科や内科などの診察なら誰でも知っていますが、あまり経験のない精神科では、どんな診察がおこわなわれているのか心配になる人もいるでしょう。

精神科では、患者さんの心身の状態、特に精神症状を知るために、問診を中心とした診察が試みられています。

特に初診では、患者さんのうつ病の症状について詳しく理解するために、医師は時間をかけて質問をして問診を行うのが一般的です。

困っている心身の症状を聞いた後、おおよそ次のような事柄についてと問われます。

・発症の契機
・病前性格
・既往歴
・家族歴
・生活歴

初診では、およそ以上のような事項を30分かけて問診し、うつ病の病像(病気の全体像)をとらえ、治療の方法や処方の内容を決定します。

問診内容のひとつひとつの事項について、詳しくみてみましょう。

発症の契機/うつ病の問診ポイント①

うつ病かもしれない、という初診時の問診では、まずは発症のきっかけを質問されます。

心身の疲労か、対人関係か、別離による喪失感かなど、うつ症状の発病の要因を質問することで、治療する糸口につながります。

現在の環境を調整する必要があるのか、本人の素因(遺伝的体質)が重いのかなど、うつ病の治療方針の大まかな決定ができます。

どんな人であってもうつ状態を招くような要因があれば「心理的な支援が必要となるだろう」と精神科医は考えます。

逆に、特に大きなきっかけがなければ「素因が強いため、薬物療法をすすめる」などの方針をたてます。

病前性格/うつ病の問診ポイント②

うつ病にはなりやすい性格がある、といわれています。

うつ病患者が病気になる前の性格、「病前性格」を知ることは治療の上でも重要になってきます。

ここ最近、依存の強い、甘えん坊のような若者にうつ病が増えています。

依存的な態度が目立てば治療を試みても、うつ病患者自身に治そうという前向きな姿勢が乏しく、症状が慢性化する恐れがあります。

そこで、問診の際に、どのような性格かを質問して、治療の参考にします。

▼関連記事

→うつ病の原因「生物学的要因」とは?

既往歴/うつ病の問診ポイント③

既往歴とは、過去の病気や健康状態のことです。

身体の病気や治療薬は、うつ病を招くきっかけや要因になることがあります。

精神科医はうつ病の診断に際に、身体の病気によって今の精神症状がおこっているのではないか、という可能性を疑います。

それが否定されて初めて、うつ病などの心の病気におちいっているのではないかと考えます。

病気によっては、うつ状態を慢性化させる原因になることもあります。

緑内障のように、ある種類の抗うつ薬が使えない病気があります。

うつ病患者さんの既往歴を知っておくことは、適切な治療を始める上で大切なことです。

▼関連記事

→適応障害が重症・重度になると、うつ病や不安障害になるの?

家族歴/うつ病の問診ポイント④

うつ病は、さまざまな要因が重なって起こります。

その要因のひとつに考えられているのが先天的な遺伝です。

うつ病と診断された人の第一親族(親や子、兄弟)にうつ病が発症する比率は2倍から3倍と高くなっていて、心の病気になりやすい傾向があります。

うつ病は、特定の遺伝子の障害で発症するわけではありませんから、遺伝の影響を恐れる必要はありませんが、「発病しやすさ」として注意が払われているのです。

スポンサーリンク

生活歴/うつ病の問診ポイント⑤

生活歴とは、出生児から現在までどのような生活を送ってきたか、つまり生い立ちのことです。

医師が問診で知りたいのは、いつまで、どの程度、安定した生活が続いていたか、についてです。

うつ病の発病までの社会適応が良好であれば、治療の見通しは明るいでしょう。

しかし、学業や職業生活で屈折があれば、今後も不安定な経過が待ち受けていると予測されます。

生活歴では、うつ病を招きやすい出来事として、子どものこと親との別離や養育態度が注目されています。

うつ病を引き起こす要因として、12歳までに親の愛情を失ったことをあげる説があります。

離婚や病気による理不尽な別離など、別離の原因や結果が及ぼす長期的な養育の質と変化がうつ病の発症に重要な役割を果たしていると考えられています。

親や保護者の養育態度では、うつ病の要因となる代表的なものが放任と過保護です。

▼関連記事

→自殺はうつ病だけじゃない!適応障害も「死にたい」と自傷行為も

生活歴での質問のポイント

【出生児】
正常分娩かどうか。
母親が出産後に精神的不調を起こさなかったか。

【乳幼児期】
母親の世話をほどよく受けていたか。
かわりに養育した人がいないか。
保護者の養育態度:過保護、過干渉、支配的、厳格、拒否的、冷淡、放任など。

【学業生活】
出席状況、交友関係、最終学歴、非行の有無。

【職業生活】
職歴、職業の適否、職場での人間関係、地位、異動、職場での評判。

【結婚生活】
夫婦生活、不和、葛藤、別居、離婚。

【老年期】
引退、退職、家族との死別、離別、心身の変化。

▼関連記事

→うつ病を本人が自覚するまでの流れとは?

うつ病の診断の流れ

①身体の病気や薬物によって起こるこころの病気に該当

「外因性のうつ病」と診断

②脳の機能的な異常によって起こるこころの病気に該当

「内因性のうつ病」と診断

③環境や心理的な問題で起こるこころの病気に該当

「心因性のうつ病」と診断

うつ病の初診時の主な問診内容

・いつ頃から気持ちが沈み込んだり、憂うつになったりするようになりましたか?
・一日のうちで一番調子が悪いのは何時頃ですか?
・趣味など、楽しめることはなにかありますか?
・睡眠は十分にとれていますか?
・食欲はありますか、味を感じますか?
・人と会うのがおっくうではないですか?
・今、いちばん困っていることはなんですか?

▼関連記事

→精神病は前頭葉が原因?うつ病、統合失調症、双極性障害、適応障害など

→抗不安薬と抗うつ薬の種類と副作用について | 適応障害の薬物治療

→自己愛性人格障害が原因で併発する病気、うつ病、不眠症、不安障害も

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

スポンサーリンク

サブコンテンツ

このページの先頭へ